【朝の相場日誌】環境と個別銘柄

朝の相場日誌




 

14日金曜日の日経平均は22,289円、39円高となりました。

小幅な値動きになりました。

チャートパターン(酒田罫線)でいうところの「燕返し」 になりそうな形です。

 

この形の買い手の売り手の心理は、買い手は警戒し新規買いを控えて、売り手は李前回天井付近や節目近くになり、利益確定売りが出ているとイメージする形です。

「弱い売り」が出ている形です。

 

弱い売りが2日~3日程度続くと、「利益確定売り」が出尽くして、再上昇するパターンが多く「燕返し」と呼ばれています。

江戸時代の米相場から投資心理は普遍的なものがあるのが、面白いですね。

 

再上昇する際に金曜日の陰線の始値(23,324円)を超えると再上昇となるタイミングをして捉えています。

 

短期的に上値を追いそうな形となっている日経平均ですが、日経平均、NYダウ、NASDAQ、S&P500など指数が上下する要因を整理しておきます。

 

要因は大きく分けて3つです。

 

 

①現物取引(構成銘柄の値動き)

②指数の先物取引

ETF(上場投資信託)

 

 

 

①構成銘柄の値動き

各銘柄が上下する主要因は業績です。業績が上がると会社の価値は高まり株価に反映されます。反対に業績が悪化すると会社の価値は下がり、株価が下落します。

ここで注意すべきことは、業績だけでなく「成長」も考慮することです。

 

最近、米電気自動車最大手のテスラが、世界の自動車メーカートップのトヨタ自動車の時価総額を抜いたニュースが出ました。

 

 

〇テスラ株急伸 トヨタ超え

 

 

売上高や利益の額を比較するとトヨタの足元に及ばないテスラですが、会社の価値はトヨタよりも高く評価されているのはなぜか?

 

答えは「成長性」です。

 

現在のEVが世界の販売台数の占める割合は、たった3%です。

これから2040年にかけて58%まで伸びると予想されていますが、この成長トレンドで大きく売上高を上げるのはEV最大手のテスラです。

トヨタもEVに参入しますが、内燃系の売り上げが落ちることを考えると自動車だけでは売上高の成長は期待できません。(※新たな成長分野として都市開発に入っています。)

 

 

〇電気自動車販売台数 2020年

 

 

会社の成長性を考えるとテスラの方が圧倒的に期待できるため、会社の価値が高くなっています。

 

今後、株高となっているテスラが、S&Pの指数に組み入れられると、S&P指数の上昇に寄与することになります。

これが指数が動く要因の一つ、①構成銘柄の値動きとなります。

 

 

 

②指数の先物取引

各指数には限月(清算する日)の間で、先物が取引されています。

先物を買ったり売ったりすることができるため、この売買により指数を上下させることができます。

その際、現物の業績は関係ありません。

 

 

ETF(上場投資信託)

日銀など保有期間が長い機関が、買い入れする際に先物を買うことはできません。そこで生まれたのが、指数構成銘柄と連動している投資信託を買います。

間接的に企業に投資する形です。

ETFは指数と連動しているため、売買により指数を上下させることができます。

 

 

これら①②③を考慮すると、今の日経平均が上昇している要因を想像することができます。

新型コロナの影響で業績が悪化している構成銘柄の量や変動幅が大きいタイミングとなる業績発表のピークを過ぎたことを考えると、変動幅もここ2週間程度で落ち着いてきそうです。

今の上昇をけん引しているのは、①ではなさそうです。

 

 

③は日銀であるため、大きく下げそうなタイミングのみ出現します。つまり、今の上昇局面では③による買いはないとみていいでしょう。

 

ということは、②の先物が主要因とみることができます。

先物の場合は、限月があるため、警戒すべきは清算日です。

今回は9月の第2週金曜日。3カ月ごとのメジャーSQとなります。

現在の相場は、新型コロナの暴落した3月から反発してきており、今年1年間の業績の見通しを織り込みつつあります。

一時的に、調整が入ってもおかしくない状況とみています。

 

ただ、日経平均の目先は強いため、この強い時間は残すところ3週間ほどではないかと、みています。

 

では、日経が下落するかもしれない局面でなにをみていくのか。

今後、環境の下落により、「割安」になる銘柄を仕掛けるチャンスが増します。

 

決算発表が一巡した今、例えば7079WDBココのように業績が良かったが下落したもの、または、5基地局関連、医療器具関連など、これから成長が見込まれる業界には再度チャンスが来ることになります。

 

成長が期待される企業は下げが弱くなる傾向があります。

下げ止まりの参考にするポイントが、ネックラインと移動平均線(MA)です。

 

具体的には、各銘柄の月足チャートと週足チャートで①昨年安値のネックライン、②12カ月、24ヵ月、60ヵ月の移動平均線を参考にしていきます。

 

この考え方のベースは「PER(株価÷業績)」です。

 

銘柄が割安になるためには、業績が同じであれば「株価が下がる」と割安になります。また、株価が同じであれば「業績が伸びる」と同じく割安になります。

 

では、業績が伸びている企業の株価がけっさんではなく、環境による下げで下落した場合はどうなるでしょう?

 

パニックで売られますが、下げた分「割安」になるため、優先的に買われていきます。つまり、下げ幅が限定的になります。

 

このチャンスを掴むために、日々やっていくことが成長する企業探しとなります。

その際に、「主軸となる企業を3社見つける」という、目標を立てると良いですね。

 

これには半年かかっても、良いと思います。

アンテナを最大限に広げて、行きましょう!

 

 

 

個別銘柄について

 

6777santec

決算発表後の高から調整が続いています。

8月4日から下降の形①②③をつけて再上昇になるか。

今日あたりから注目度が高まりますね。

 

 

6778 アルチザ

決算発表が9月3日。

横ばいが続いていますが、面白くなってきましたね。

 

 

6754 アンリツ

13週線タッチ。

5月27日に一度タッチしそうになって、今回が2回目です。

このタイミングで上昇できないと、調整が長引く恐れがあります。

分岐点になるポイントです。

 

 

4448 チャットワーク

 

〇チャットワーク2決算発表

 

文句ない決算発表でした。

再上昇お願います。

 

 

4484ランサーズ

決算発表から急上昇しています。

上場来高値を取りに行くとみていますので、しばらくホールドで。

 

 

3937ユビコム

増益発表でしたが、下げてきました。

13週タッチしています。

アンリツのコメントと同じです。

調整が長引くかどうかの分岐点となるのが今ですね。

 

 

4726 SBテク

13週線にファーストタッチから反転。

トレンドは死んでいません。

ユビコム、アンリツがこのようになれば及第です。

 

 

3626TIS

13週線は回復できませんでしたので、調整は少し長引きそうです。

ただ、業績は予想通りなので、下げ幅は緩やかになるとみています。

そもそもの反転上昇が新型コロナ前まで戻っていないので、下げ幅は限定的かなと。

MAAS関連であることから、成長性は見込めます。

 

 

8194ライフコーポ

下値固めから、反転。

ライフコーポのチャートの形は、今後、決算発表で上昇した銘柄の短期取引の参考になりますよ!

 

 

さて、決算発表も一巡して、少し楽になりました。

これからは、発表後の値動きに注目していきます。

今日のコメントや今の考えについて、明日の火曜會でお伝えできればと思います。

 

それでは、今週も頑張っていきましょう!